面白ピアノ曲解説13.鳥の鳴き声が3D感覚で聴こえてくる名作~ラヴェル/悲しき鳥たち

悲しき鳥たち~鳥の鳴き声が3D感覚で聴こえてくる名作

M.Ravel – Miroirs / Oiseau tristes

img_901508_20426575_0

悲しき鳥たちはモーリス・ラヴェルの傑作「鏡」の第二曲です。
私には、鳥の鳴き声が遠近感を持って聞こえてきます。まさに3D感覚に?
 
この曲は深い森がイメージできます。その中で鳥が鳴いています。
森は風が止まっていて緊張した瞬間、ゆったりと空気が流れ感じられる瞬間があったりします。
(風が止まったり、その動きが感じられないくらいゆっくり動いている・吹いている感じ?)
 
私は風の動きの中に様々な情景とその情景に何かの感情を感じます
 その中で鳥は、一羽で・複数で鳴いています。遠くで鳴いている…と思ったら近づいてきて目の前で「けたたましく」鳴きます。鳥が近づいてくる・遠のくという遠近感が見事に表現されています。その鳴き声が森にこだまする様も描かれています。
その様子は今風にいえば3D感覚? 
ところで、鳥は「悲しく」鳴いているのでしょうか?
悲しく感じるのはもしかすると人間の勝手な感じ方かも知れません。
鳥には何の感情もないはずです。その鳴き声を「悲しく」聴かせる!!
そこにRavelの「策略」とピアノ1台で作り出せる作曲技法の見事さを感じずにはいられません。

 2010年11月15日記

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です