交流分析学会第41回大会でポスター発表
2016年10月13日~15日まで聖徳大学で行われていた。交流分析学会にてポスター掲示発表(含む口頭説明)をさせていただきました。
- 私の研究していた楽曲の特徴把握法では、楽曲のイメージについてのアンケートをするとアンケート行った被験者の性格的な特徴も把握できることがわかってきました。
- 被験者の性格的な特徴と自己成長エゴグラム(SGE)を組み合わせることによって音楽の趣味からその人の特徴を把握できるかもしれない可能性が出てきて今回の発表となりました。
- この発表は、中部労災病院心療内科の芦原睦先生に監修をしていただき、マツイシ楽器の松石社長にご協力をいただき可能となりました。
関連情報
音楽の選択傾向(好み)からその人の性格を把握するというのはは今、非常にホットなテーマとなっています。
ご興味ある方は、スタンフォード大学経営大学院の研究及びWikipedeiaの「音楽選好の心理学」のページをご覧ください。
専門的になってしまいますが、発表内容の一端を。 PDF版はこちら
音楽心理テストと自己成長エゴグラム(SGE)の関連性
【目的】
自己成長エゴグラム(SGE)の5つの指標を音楽心理テストの結果から導き出す事。
情報学的な手法を使い、音楽心理テストの結果からSGEの5つの指標の値を類推すること。
【方法】
・被験者に以下の2つのテストを同時に課す。
1.自己成長エゴグラム(SGE)
質問文は自己成長エゴグラム(SGE)のオリジナルを使用。5項目の質問文を並び替え作成。
2.音楽心理テスト
4つの楽曲を聴いたときのイメージを60種類の形容詞の中から選択する。
尚、【サンプル曲】先行研究の結果を踏まえて、楽曲ジャンル・楽曲の雰囲気等を調整し様々な被験者の音楽的な趣向を取り込めるように決定した。
【質問内容】
音楽心理テストは、著者らがシステム設計した音楽レコメンドシステムの方法である形容詞選択方法を採用。質問に使用した形容詞は計60個
例)かわいい、楽しい、格調高い、活動的だ、憂鬱な、寂しい、エネルギッシュ 等
質問形態は「当てはまらない」「少し当てはまる」「当てはまる」「とても当てはまる」の4択。
【対象】
A銀行の就職試験に集まった男女。各楽曲ごとに15名~20名程度。大学4年、音楽を専攻していない学生
【結果考察】
○分析方法
音楽テストの結果を著者らが研究開発した音楽レコメンドシステムを用いて数値的に把握する。当てはまらない→0点 少し当てはまる→2点 当てはまる→4点 とても当てはまる→6点 と換算。
重回帰分析を使用して、各被験者の音楽心理テストの数値データーと自己成長エゴグラム(SGE)の5つの指標の中の一つの指標との関連を探った。
目的変数:自己成長エゴグラム(SGE)の各指標の評価値(0~20点) 説明変数:各形容詞の評価値 として分析を行った。
○考察
1.自己成長エゴグラム(SGE)の評価値と重回帰式によって得られた各被験者の評価予想値の平均誤差は0.01~0.3の範囲内に収まってる。
2.重回帰分析は自己成長エゴグラム(SGE)の各評価値と楽曲の組み合わせにより良好な結果が得られる場合と良好な結果が得られない場合があった。
3.CP値と課題曲No.1(ヴォカリーズ)の関係を分析する時に有効だった形容詞とNP値と課題曲No.2(コルトレーン)の関係を分析する時に有効だった形容詞は異なっている。つまり、自己成長エゴグラム(SGE)の各要素を説明する説明変数(形容詞)の構成が異なっている。CP値・NP値の特性と形容詞の関連は説明変数として使用される形容詞の構成からも検証できるかもしれない。
【結論】
音楽心理テストの結果を説明変数として行った重回帰分析の結果により、自己成長エゴグラム(SGE)の評価値を音楽心理テストの結果によって予測できる可能性があることが分かった。しかし、データー数が20以下なので、予測が可能であるとは言い切れない。より詳細な分析が必要である。現在フェーズ2のテストを行い、データーの蓄積を行う予定である。
2016年10月16日記