R. Shumann /Des Abends
ロベルト・シューマン / 幻想小曲集作品12より 「夕べに」
薄暮・・・慌しく時間が過ぎる一日、時が昼から夜へと移り変わろうとするほんのひと時、何故か時間がゆっくり動いている感じがしませんか?
魔法の時間とで言いましょうか…
「夕べに」は、その魔法の時間が感じられる不思議な曲です。
「夕べに」は幻想小曲集の第一曲ですが、幻想小曲集はシューマンが後に妻となるクララとの結婚を熱望していたにも関わらず、シューマンの恩師でもあったクララの父から反対されて悩んでいたころの作品です。
夢・空想・幻想、そして現実が交錯していた頃。
そんな若きシューマンだからこそ発想が湧き作曲できたのではないか?と思います。
一般には、同じ曲集の中の「飛翔」や「夜に」の方が注目されがちですが、「夕べに」も傑作です。
2拍子でありながら3拍子を感じられ不思議な曲です。その複雑に絡み合うリズム感が、幻想的なイメージを醸し出しています。シューマンしか書けないような全く別な世界へふっとワープしてしまうような瞬間(転調)が見事です。
私は、眼をつぶって聴いていると夕暮れの風景が浮かんできます。
2010年08月12日記
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